ベッ甲修理.com

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製造工程

・材料選び

1・材料選び

製作する製品の出来上がりをイメージしながら材料の選別をします。

材料といっても甲羅の部位によって様々な色味や柄、粘りや強度が異なります。

また、個体によっても色味や柄が異なるため材料選びには職人のセンス出ます。

 

・切り出し

2・切り出し

制作する製品の形を描き、色味や柄、厚みを合わせながら弓鋸(糸ノコ)で切り出していきます。

ここでは、ある程度のざっくりとした形で整えておきます。

実際に製作する作品よりも大きめに整える感じです。

 

・荒削り

3・荒削り

素材のキズをカンギを使って取り除き、トクサやサンドペーパー等で整えていきます。

写真は回転するヤスリを使って、大まかにキズや形を整えているところです。

細かな部分はやっぱり手作業になります。

 

・下地処理

4・下地処理

べっ甲は天然素材であるため、均一に平面ではありません。

このあとの工程で圧力を加えて素材同士を貼り付けるのですが、その前の段階で熱を加えてある程度均一な平面に材料を整えておきます。

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この手間をかけることにより、より安定した材料をを作ることができます。

写真では伝わりにくいかもしれませんが、分厚い鉄板を火で高温に熱しています。

その熱した鉄板の上に丈夫な布生地をしき、かなりの熱と蒸気を加えて素材の曲がり等を矯正していきます。

職人の手の感触や目視によりで材料の状態を確認しながら下地を整えていきます。

・張り合わせ

張り合わせ挿絵3・張り合わせ

整えた各部材を、想定した色味と厚さになるか確認しながら糸でしっかりと結び固定します。

地味な作業ですが、ここでしっかり固定できていなければ、この次の工程で圧力をかけた際にずれてしまった状態で貼り合わせてしまうため、気は抜けません。

 

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部材がちゃんと固定できたら水に浸し、つぎ板と高温に熱した鉄板に挟み万力という機械にセットしていきます。

セットし終わったら、徐々に圧力をかけていきます。こうすることで部材どおしを貼り合わせていくのです。

この時、接着剤は一切使用致しません。

甲羅自体に膠(ニカワ)の成分が含まれており、熱と水と圧力だけで甲羅同士が融合するのです。

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部材の様態を見ながら微妙に圧力を調整し、圧力をかける時間等も見極めながらの作業です。

この作業は各部材のクセや状態、温度、圧力の加減で製品になった時の良否が決まります。

また、季節の変化によっても変わってくる、とてもデリケートな作業なため最も職人の経験ものを言う重要な工程です。

 

・成形

9・成形

貼り合わせた材料が左の画像です。

真っ黒の材料はの方は実は磨いていくといわゆるべっ甲柄になります。材料を作りたての時はこんなに真っ黒なんです。

 

 

 

10張り合わせた材料をそれぞれの製品に応じて切断、曲げ、彫り、型抜き、削り等の工程を行います。

画像はより具体的な形に切断してる工程です。

ここからいろんな形に姿を変えていきます。

 

 

 

・仕上げ・磨き

・仕上げ・磨き

耐水ペーパーを用いて段階的に表面を整え、研磨剤を含ませたバフで磨きます。最後は鹿革で拭き上げて完成です。